うれしい手縫い

うれしい手縫い (読む手しごとBOOKS)

うれしい手縫い (読む手しごとBOOKS)

私の裁縫箱の本の隣に平積みしてあった本。こちらも何度か考えて、やっぱり欲しいと手にした本。付録にダルマの赤い糸が付いてるよ。

糸さえあれば
クロスにカーテンに白いハンカチに、靴下の綻びを直したり、シャツにシミが付いたら、そこにステッチをしたり、なんでも出来る。

おしゃれな服も糸さえあれば素敵にできるし
はぎれをポーチにすることもできる。
手縫いでボタンをとめることもできる。

松野屋
松野きぬ子さん

雑巾ワークショップを開き、参加費無料で雑巾をザクザク縫うイベントを開催している。参加者は主に若い女性。家に裁縫箱がないという人も少なくなく、とまどう人々にやり方を教える。しかし雑巾なので、色も自由、粗くてもOK、どこから縫ってもOKというスタンス。みんなで好きに縫っていく。

この方は雑巾ではなく「あづま袋」をオススメ手縫いとして紹介していた。(この本では各章の最後に、オススメの手縫いを図つきで説明してくれているコーナーがある。いわば、レシピ。)

デザイナーの成瀬文子さん。
「星縫い」をご存知でしょうか?との問いに私の頭に「?」がとぶ。星縫いって何だろう。
成瀬さんによると洋服の襟ぐり、ポケット口など、しっかり止めたい場所に施す手縫いの一技法らしい。表側の針目が目立たぬよう、糸を引き締めて返し縫い。その糸目が星形に見えることから星縫いというらしい。

工場見学
ダルマの糸ができるまで
ダルマの糸は滋賀県伊吹山山麓と京都紫野のダルマ糸製造工場で作られている。

朝8時。がしゃんがしゃんと機械が動き始める。細い単糸が紡績工場から届くと機械で束ね、ねじって太さと強さを出す。
糸に強度を持たせる工程で、大きな糸玉に糸が一斉に巻かれていく。
次に糸をガスの火であぶり毛羽を焼く。糸の表面が毛羽立つと布に通すときに使いにくいので縫い良い糸にするために欠かせない工程。
機械は昭和40年代のものだが、よくできていて、よく働くらしい。

ガスで焼いた糸は、染色の工程へ。
糸を染めるためにはまず糸を真っ白にする。この工程では糸を苛性ソーダでふっくらさせることもする。
白くした糸を染色する。染料室では湿度も温度も徹底管理されており染料の調合は全て手作業。基本3色から染める。
染料の調合も毎日微妙に変わる。耳掻き一杯で10カセ分染まるものもあれば、一キロの染料でようやく染まるものもある。
グレーと茶色が調合が難しい。

染料を測った人は白糸を触らないというのが鉄則。
次に糸繰りとカード巻きへ。
かせからひたすら巻き直す。ここが新人の登竜門となる。

樋口愉美子さんは刺繍作家。
頭の中で想像した世界を、刺繍にして、表現していく。提案するのはダルマの図案とダルマのブローチ。作り方が書いてある。

デザイナーの大橋利枝子さんは布が好き。リネンのふくさ包みを提案。不思議なことに、ものすごく忙しく疲れていたのに、家に帰って作ったら、物凄く楽しかった、というほど手縫いが好きな方。


同じくデザイナーの月居良子さん。
作りやすいのに着てみるとモードでおしゃれ。考え抜かれたデザインが人気の方。縫い目もセンスの火とつ、とのこと。この方はリネンのキャミソールの作り方を提案。

手縫いの糸の種類
手縫い糸は主に、素材と太さで分類する。素材には綿や絹、合繊などがあり、布と同じにするのが馴染みがよい。

糸の太さは「号数」と「番手」。号数は撚り合わせた糸の本数を表す。→数が大きいほど太い。
番手は単位重量あたりの長さを表す。→数が大きいほど細い。
薄い生地には細い糸、厚い生地には太い糸がよい。

榛にも種類があり、和針と洋針(メリケン針)がある。和裁は直線縫いが基本で洋針より長く、針先が細く作られている。和針は針穴が丸く洋針は細長い。


さて、芦屋のcheck&stripeという生地・手芸材料店にも行ってみたい。ここでのオリジナルお裁縫箱と、スタッフが使っている、C&Sと書かれたイカリマークのメジャーも欲しい。ここが提案するのはミシン用ピンクッション。ミシン針の号数スタンプが押してあるのが可愛い。


DARUMA THREAD 誕生。SyuRo主宰の宇南山加子さん。ダルマの糸はうちの裁縫箱にも入っていたとダルマ家庭糸の横田さんと盛り上がる。糸をギフトにの考えから、ダルマのオリジナルキットが生まれた。カード巻きでなく、玉巻きにしているところが可愛い。ベビーソックスのキットも可愛い。また、印刷のズレまで再現したダルマのまち針のサンプルも可愛い。全て欲しくなってしまった。


この本に載る、ダルマ糸 パッケージギャラリーの写真集もいい味を出している。右から左に読むダルマ印カタン糸の箱など箱類の写真から、明治時代のカード巻きのカード、ダルマの家庭糸の特色サンプル品、ダルマのまち針、糸セット。良い感じだ。


YAMMA縫製メンバーの皆川みゆきさんは受注が入ったら縫うという仕事をしている。お針子さんがつけたボタンは取れにくいと発見。あと仕上げに「きりびつけ」をしている。本縫いの前にしつけ糸を縫い渡し、縫い目だけ残してちょんちょんと切る「切りびつけ」。チャコペンと違い印が消えずミシンをかけてる間も布がずれない。だから仕上がりがキリッと美しくなる。この方は言う。昔の人は何でも手作りだった。
会津木綿のはぎあわせポーチの作り方をこの方は載せている。

藍染め作家の鳴海友子さんのページは小学生のお孫さんとのやりとりが印象に残る。針を教えるおばあちゃんとしての鳴海さん。良い感じ。

最後はダルマ糸企画チームのページ。このチームは玉止めいっぱいのハンカチの作り方を載せていた。


最後の最後のページに小さな裁縫箱作りのすすめが書いてある。
私の裁縫箱に有るものも無いものもあるけど、もし必要になれば揃えたい。

この本では針と糸と縫うことや作ることについて書かれていた。この本にも私が欲しいと思っている中村好文さんデザインの裁縫箱が載せられていた。
最後に赤い糸が付録に付いてる。
私はお裁縫というよりはデザインやグッズに興味がわいた。