パラドックス13

パラドックス13 (講談社文庫)

最近、お勧めされた本。小説はあまり読まないが、東野圭吾さんの本では『流星の絆』を10年前に新幹線の中で一気読みしたことを思いだし、お勧めされるままに読んでみることにした。

お勧めしてくれた人が読み終えたら貸してくれるとのことだったが、

JAXAアメリカ、総理たちが宇宙の不思議な現象を予知し右往左往する中、警官である主人公が、その現象の時間になり、突然誰もいない世界(東京)に放り込まれ、その世界でなんとか生き延びていく物語」
と聞いて気になり、書店で予習の立ち読みをしてみた。気がつくと閉店の音楽が流れ、二時間、200ページほど読んだところででなくなく帰途へ。
次の日も次の日も書店で立ち読み。
ついに、立ち読みで全て読んでしまったことに自分自身に驚いた。今までハウツー本ややりかた本、自己啓発本なら何冊か立ち読みして数冊買うやりかただったが、まさか小説を立ち読みで読んでしまうとは。
しかし速読で一気読みしたため、じっくり読みたくなり結局購入した。

この小説のありえない世界観での描写に驚き、主人公のお兄さん(警視)が頼もしいと思った。
世界に(東京だけだが)13人しかいない世界で、天変地異が次々に起こり、13人以外は一切いない世界。ただ、その現象が起きるまでの町並みは天変地異で徐々に壊されていくものの、最初のうちは食糧も泊まる場所も確保できていた。
一週間、二週間と経つにつれ、事態はどんどん深刻になっていく。天変地異の連続で足元もままならず、食糧や泊まる場所の確保でさえ危うい。
拠点を転々としながら、一番安全と思われた首相官邸へ。そこで、極秘だった宇宙の現象に関する書類を13人は目にすることになる。

13人も、主人公や主人公の兄、喋れない子ども、その母、看護士、技師、その上司(役員)、老人夫妻、食いしん坊の太った若者、赤ちゃん、ヤクザ、女子高生など様々だ。殆どが初対面で彼らの中でリーダーが誕生し、ルールが確立されていく。

結末は大まかには予想したのと同じだったが、最終の結末は思いもよらず、驚いた。
続編があれば読みたいと思った。