9番目の音を探して 47歳からのニューヨークジャズ留学

時間をかけて丁寧に読んだ。筆者は日本でも有名なポップスの作曲家でピアノ奏者の大江千里さん。

実は、この本を手に取るまで、彼の存在を知らなかった。

たまたま最近ジャズの世界に足を踏み入れそうになっていて、ニューヨークでビッグバンドしてみたいな、それにはどうしたら・・・短期留学かな。と思い書店で検索したら出てきた本だった。

筆者はニューヨークの空港に愛犬と共に降り立つところから物語がスタートする。
筆者だって、日本で有名な演奏家なのに、ジャズの大学には、18歳~22歳のジャズの上手な強者たちがひしめき合う。
最初から過酷な競争なのに、筆者はオリエンテーション兼テストの日に寝坊をし、まさかの午後3時に大学に着いてしまう。

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この体験談を読むと無性に楽器の練習をしたくなる。全コードで(全調で)ジャズの有名な曲を暗譜で弾ききらなければならなかったり、ジャズの歴史やリズムについての理論的な授業は勿論、外国人は英語のクラスも参加しないといけない。

しかし筆者は、各所で路上ライブをしてみて聞き手の違いを感じてみたり、東京ジャズフェスティバルに一緒に演奏してみたかった歌い手とメンバーを集めて演奏を成功させたり、モーニング息子というバンドを立ち上げて色々な舞台にたったりと挑戦意欲と挑戦する様子が面白い。

私が特にいいな、と思ったシーンは二つある。まず一つは、筆者がテストに合格し、上級クラスで好きな先生に習えるシーン。筆者はピアニストのアーロンに習うことにしたが、そのレッスンの様子が厳しくもとても楽しそうな上、アーロンの技術に筆者が惚れ惚れしているところがいい。

もう一つは、筆者がニューヨーク~ロサンゼルス間を車でアメリカを大陸横断する冒険記が好き。

行き帰りの時間制限を設定しつつ向かうが、道中色々なことが起こる。ラジオでカントリー音楽しか入らない地域があったり、ひたすら砂漠で間一髪のところでガソリンスタンドがあったり。かと思ったら不気味な廃線跡で変な車に追いかけられカーレースになったり。セドナに寄ってスピリチュアル系の人に会ったり、車のタイヤがパンクしたり。

大学卒業後間近の
最後の筆者の選択も面白かった。

インプットしたこ
・挑戦することは面白いこと
・アメリカの断片的な知識とニューヨークジャズ学校の様子

アウトプットしたこ
・より、頑張る気になった、楽器の練習
・短期のニューヨークホームステイか旅行、留学についての資料を集めるようになった。