独裁国家に行ってきた
- 作者: MASAKI
- 出版社/メーカー: 彩図社
- 発売日: 2016/06/17
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
・独裁者ニアゾフの金ぴか像が至るところにあり、しかもいつでも太陽の方に向かって回っている。それで方角がわかる。
☆リビア
・空港内はアラビア語表記のみでトイレに行くのも一苦労。
・カダフィ政権が倒れたあとで、リビア イズ フリーのかけ声とともに、国民がわきたっていた。
・カダフィの顔が塗りつぶされた紙幣が流通していた。
・広大な世界遺産、客のいないガランとした世界遺産はどこか淋しかった。
☆北朝鮮
・中国の丹東から列車で入る。監視はきつい。車窓からは、手で田植えをしている人や、田植え機が故障している様子が見られた。北朝鮮の人々のしんどい様子が垣間見れた。
・北朝鮮の観光は北朝鮮側の観光ガイドが、片時も離れずずっとつき、一人で出歩くことは許されないが、ガイドは時間には正確で、必ずワゴン車で護送されるので、ある意味安全。
・偉大な人間 金正日という本を買うと書店の店員に、そんなの、買うの?といった感じで笑われる。
・北朝鮮料理の犬の肉スープやアヒルの焼き肉は美味しい。
・北緯38度線の、実際に協定が結ばれた部屋に入れて当時の机があり、椅子にも座れる。
・北朝鮮の子どもの真剣な学芸会を目の当たりにし、著者は泣いた。それをみた北朝鮮のガイドも感動した。
・ハイパーインフレの国。原因は2000年代前半この国の国土のほとんどを占めていた白人農場が強制的に追い出され、欧米の経済制裁を受けたから。
・1ドルがついには100兆ジンバブエドルに。
・今は米ドルが使われているが使い回しされているためかどの米ドル札もボロボロ。
・お釣りの50セントが店にないため、無駄なものを買わされたり、無いからお釣りを払えないと言われたり、紙に「50セント」と書かれただけのものをお釣りの代わりとして渡されたりする。
・ムスリム以外は入国が非常に難しい。
・筆者も何度も入国しようとして、今回は何とか成功
・でもムスリムでないだけで、空港内の機関をたらい回しにされる
・サウジアラビア航空は、まさにイスラム教徒のための飛行機。イスラムについての説明ムービーが英語で見れたり、ムスリムの髭の切り方、ムスリムのやっていいこと悪いことなど教えてくれる。また、機内にはお祈りのスペースがある。
・サウジアラビア入国に際し、入国チェックを受ける。水着の表紙の雑誌は勿論没収、パソコン内のエロ動画が全て消される。
・マクドナルドの並ぶ列も、男性用、女性用とあり厳格
・すべての店が、お祈り中は例外なくクローズする
・メッカ行きを試みるも、ムスリム以外は絶対に無理そうだと判明する(パトカーに乗った宗教警察がかなりいる)
・出国もかなり難しい。お祈り中のクローズに阻まれながら何とか書類を集めるも無効になる。最後の手段は日本大使館。日本大使館の人たちも、このサウジアラビアの赴任に嫌気が差していた。(サウジアラビアはムスリムのしがらみだらけ)
・中国人や日本人などの東洋人を非常にバカにして大人、子ども関係なく皆が軽蔑し嘲け笑う国。
・賄賂も強盗も横行。
・過請求は当たり前。ホテルも強盗から身を守るため鉄格子つき。警察がカツアゲしてくる。
・筆者もお金、カメラ、パソコンを盗まれる。あとで携帯は悪用され1000ドルの請求がきていた。
☆キューバ
・アナログの国
・街の車はオンボロ。ルパンの世界みたいで、一昔前のアメリカみたい。
・インターネット接続料金が非常に高いので、皆スマホもパソコンも持たない。旅人が集まる場所には情報ノートが健在。
・通貨は現地人用のCUPと外国人用のCUCとありレートが違う。現地人が5CUP払うとしたら、外国人は120CUPになる。(これは5 CUCにあたる)
外国人にとっては理不尽な話。
・ソ連に憧れを持つ国。そのため駅などの建物はソ連のものを模倣。
・ビールやウォッカなどのお酒が酒場で日本円にして1杯50円以下で飲める。おつまみも豊富。しかし酔っ払いによるトラブルは多い。
・法規制が厳格。トイレの水を流し忘れただけでも高額な罰金が。
・空港は快適。セブンイレブンが併設され、電源プラグも豊富にあり、無料で使えるパソコンもある。さらに、横になれるベッドまで。
・行きすぎた締め付けは反動を生むのか、すぐ行ける隣のマレーシアのシンガポールとの国境沿いの町は、治安の悪いエリアで、飲食店が軒を連ね、お酒も浴びるように飲む人、ギャンブルする人、ゲーセンで煙草を吸う人などがいた。
☆ナウル
・国民は無気力、基本、仕事も含め何もしない。
失業者で溢れかえるが皆のんびりした様子。
・かつてリンで栄えた国。リンが栄えた頃に、莫大なお金が国民にも還元され、働かなくてもいい暮らしが出来るようになった。リンが枯渇してきてそれはダメになったが、ナウル人が働かないのは習慣化になってしまっていて現在の状況になった。
・中国人が進出。中華料理屋が軒を連ねる。なにもしないナウル人にとって料理を作ってくれる中国人は有り難い存在。
・働き者で稼ぎたい中国人と怠け者のナウル人は相性がいい様子
☆コンゴ
・賄賂一点張りの国
・賄賂を払わないと不当に捕まり、牢獄へ連れていかれる。
・美女は体で払えば牢獄から出してもらえる場合がある
・男性でもお金を払えば牢獄から出してもらえるが筆者は抵抗。決死の覚悟で日本大使館に何とか連絡しても、大使館員でもてこずる。
☆ブータン
ブータンについては別のビデオや話で知っていタコとが多かった。この本で初めて知ったことは→
・ブータン人は海外に興味がない。海外に出るにしても簡単には海外に行けない国。
☆リベリア
リベリアがアメリカ国旗みたいな理由がわかった。
解放奴隷が作った国だからだということだ。
・この国もぼったくりや賄賂や支払いの強要、おねだりが横行。お金をむしりとるためにスパイ容疑までかける。(しかも大使館の人や警官の人)
☆シリア
・シリア人は旅行者に「シリアへようこそ」と声をかけてくれ親切だった。
・筆者は今のシリアになる前のギリギリのタイミングでシリア入りしたが、直後に宿泊先のホテルに日本大使館から電話が入り、明日シリアで大規模なデモがあるから、すぐにシリアを脱出するように、と伝えられた。
・その後のことはよくニュースになっている通り。
感想
普段行けない国、独裁国家ならではの黒い部分、人の様子、街の様子が感じられる本だった。北朝鮮については「僕の見た大日本帝国」の北朝鮮編とも被る部分があり、北朝鮮の外国人ツアーのやり方や田植えが手作業は本当なんだ、と改めて感じた。
また、もしジンバブエみたいに、1ドルが100兆円などになるハイパーインフレが起きたら自分ならどうするんだろう?とかも考えてしまった。
またナウルの国民性は歴史を見ると仕方がないところもあるが、中国人と上手く補いあっているのが面白かった。サウジアラビアも厳格すぎるだろう、と思う。
アフリカや南アメリカは、暴力や賄賂、強盗が横行しているイメージがついた。