かなり気になる日本語

かなり気になる日本語 (SB新書)

厚切りジェイソンさんの新刊ということで、本やで見つけた本。補充シールが貼られていた。わたしの中で、この補充シールは「当たり」の本とみなしている。
面白いから売れているんだろうな、と思うから。

厚切りジェイソンさんの母国アメリカと、そして日本との違いについて書かれていた箇所がいくつかあったのが良かった。

たとえば、日本人は相づちをよくうつが、アメリカではそんなに相づちをうたない。厚切りジェイソンさんが、日本でアメリカと同じように電話に出ていたら通話相手が、ちゃんと聞こえているか心配したそうだ。


アメリカでは児童でも学生でも、常に
「あなたはどう思いますか」と聞かれ自分オリジナルの意見を求められるが、日本では相手の気持ちを察したり、型を学んだりする方が多い。

履歴書にしてもアメリカは過去に何をしてきたか、今何をしているか、を基準に聞かれるのに日本では趣味・特技の欄がある。

日本語はひらがな、カタカナ、漢字の三種類の文字があり、小学生でも使い分けているのは尊敬してしまう。

一人称にしても英語は「I」のみだが、日本語は私、僕、俺、わたし、あたし、うち、おいら、我、朕、拙者と数が多い。

日本語と英語の同音異義語も紹介。
日本語 移動、異同、異動
英語 hour our など

アメリカには日本のような伝統野菜(三浦大根、淡路玉ねぎ、九条ネギ)などは存在しない。大きければよい、という考え。

アメリカの中華レストランより日本の中華レストランの方が美味しい。

曖昧模糊な日本、契約社会のアメリカ。契約書の小さな文字まで確認する。

所属により言い回しが異なる英語。アメリカ英語にするのかイギリス英語にするのか専門を決めるとよい。どちらかを専門にするとコミュニケーションが円滑になる。
たとえば、
秋・・fall アメリカ autumn イギリス
サッカー soccer アメリカ football イギリス

など。


日本に方言は存在するがアメリカに方言は存在しない。標準的な英語は通じる。ただ話すスピードは違う。ニューヨーカーは早口で田舎の人はゆっくり。

新年によくある抱負や、座右の銘について宣言するのは何故か。アメリカでは心の中に秘めておくもの。


日本の顔文字とアメリカのアスキーアートについて。アメリカのアスキーアートは本格的なアート路線のものが多い。


著者が
日本で知ったこと・疑問に思ったことの数々について

よろしくお願いします
には様々な意味があることを、知ったそう。

また、空気を読む、というのが難しいそう。

信号は何故赤黄青か。緑ではないのか。

擬音語・擬態語が難しい。音がしないのにキラキラは何故言うのか。

擬音語に関してはアメリカと似てるところもある。時計のチクタクや、犬のワンワンなど。

送り仮名が、ややこしい。上がると上るで読み方が変わる。

こんなに沢山必要?日本語の感嘆詞
まあ!、ああ!、なんと!、うわぁ!、へえ!、ほお!いやはや!本当?マジで?など

カレーでいい、カレーがいい
助詞ひとつでニュアンスが変わる

どうして「足を運ぶ」というのか。最初文字どおりグロテスクな光景を想像してしまったそう。

腐っても鯛?腐ったら食中毒を起こすだろう?

和製英語と英語は別物。ノートパソコンは、ラップトップというし、コンセントはソケット。リサイクルショップはセカンドハンドストア。

どこの馬の骨かわからんようなやつに、娘はやれん!の馬の骨って一体?

男一匹、って?

曖昧模糊の模糊はどこへ消えた?

楽ちんの、ちんって何?

ちんまりの、ちんとまりの関係は?

合点は合点承知の助なのに、どうしてフルで言わない?

ドタキャンって土壇場キャンセルの略なのか!


本を読んでみての感想。日本語教師の勉強をしたことがあるが、それとはまた違う目線からの本書だった。言われてみればそうだな、と思われることの数々。何気なく毎日使ってる日本語だけど母語が違う人から見たら色々不思議な点が掘り出されて面白い。そんなの考えたこともなかった。
別の視点から当たり前と思っていたことにメスが入れられると面白いな、と思った。