Nのために

Nのために (双葉文庫)

小説を読むのは久しぶりだ。この本は前に本屋で買おうとしたこともある。
しかし借りることが出来て、読むことにした。
湊かなえ の本を読むのは二冊目。

一冊目は「告白」。
強烈な読後感だったから、今回もきっとそうに違いない。しかし今回は少し違った。

登場人物たちは、それぞれの視点から一人称で事件や事件に至るまでの経緯を語っている。
そこから浮かび上がるのは、Nのためにそれぞれが奔走したこと。Nのためを思ってやったこと。

同じ事件を語るのに、それぞれの視点でこうも違うかと言うことと、一番はじめの証言は事実とは違うとあとから分かる。嘘をついている人がいることも。語らなかったこともある。
そして淡い恋愛小説のようでもある。

虐待を受けてきた人。夫からDVを受けている人。父から家を追い出され愛人に土下座し心が壊れかける人。色々いる。

読めば読むほど謎が深まる小説、つい読んでしまった。たまには小説もいいかもしれない。