社会人として必要な経済と政治のことが5時間で学べる

新刊として立て掛けてあった本。池上彰氏の本は小学生から読んでいるため、この人の本で超最新で面白そうなものは立ち読みして、買うか決めている。

わたしは、どちらかというと国際的なことの方が好きだが、経済と政治、中学校や高校の頃の社会や公民を思い出すのと、現在はどうなっているのか、という興味から、この本は買うことにしてみた。

5時間で読めるとあるし。

5時間では読めなかったが、スラスラと分かりやすくは読めた。中学・高校の頃から変わっていないことと、大きく変わっていたこととあった。

まずは、経済の面から。
お金は、なぜお金なのか。皆がお金と認識しているからお金。最初は金の引換証で実際に金も持ち運びされていたが、次第に引換証のみでコトが済むようになる。金庫に金を預かっている人は、ならばこの預かってる間は自由にこの金の権利を使っていいだろうと考え、運用しはじめる。
今の銀行の仕組みの元だ。

この話を、先の「日本列島から日本人が消える日」という本からも学んだし、他の経済の本からも学んだ。同じことが違う筆者により違う視点から書かれていても、根本が同じだとより理解が深まる。

池上彰のこの本の、「経済」という章を読んでいるとどんどん暗い気持ちになった。借金がもう国としてどうにもならないような状況だということがよく分かった。国債や通貨、バブルの話、年金の話、日銀の話、円安と円高の話、アメリカ経済に遠慮してコトが起こっている話、EUやTPPの話、どれも知らないとマズイ話ばかりだった。名前は知っていても仕組みや、それが起こったプロセス、歴史なども知ることが大事だ。

「政治」の章は国会議事堂の庭の銅像の話や国会議員参議院衆議院、総理の仕事、官房長官とは、事務次官政務次官、選挙の仕組みなどなど、中学校や高校で習った「公民」そのもので懐かしい気持ちになった。
変わったことは、選挙の期日前投票が出来るようになり、以前の煩雑な不在者投票とは違うこと、中選挙区制から小選挙区制へ、選挙権が18歳からになったこと、など。
初めて知ったことは選挙の運動員へ払われている謝礼のようなものは金額が決められていること、選挙違反したらどうなるか、わざと中心の運動員が選挙違反して寝返りしても罰せられないことなど、沢山のこともこの本で初めて知った。

あとは日本国憲法について。前文を改めて原文と池上彰氏の現代語訳から読んだ。
中国では憲法言論の自由が認められているのに、実際は中国共産党の批判をしたら捕まるという実際の憲法とは違うことも起こってるということも初めて知った。