バテない体をつくる 登山食

昨日から読みはじめ、一気に読み終わった本。登山食のレシピが思いの外載っていたのが良かった。バテない体をつくる 登山エクセサイズの本を買ったときから気になっていた本で、買えて良かった。

登山ではシャリバテに注意

全身運動のためお腹がすく

という、当たり前のことから、

登山中はこまめに補給を

どんなものが食べてからいつ頃エネルギーに変わるのかという、具体的なことが書かれていた。

やはり、糖質が一番すぐにエネルギーに変わりやすい。しかし糖質にも色々あり清涼飲料水や、砂糖の方がすぐエネルギーになり、ご飯などは糖質の中ではややエネルギーになるのがゆっくりしているらしい。

高エネルギー食、少ない量でどれだけエネルギーになるか、も食品別に書いてあり面白かった。

糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、まんべんなく取ることが大事だ。
腹持ちがよく、食べやすいことも大事だ。

糖質のうち、おにぎりについて一般的なコンビニで売られているものから、選び方について書かれていた。それによると、ツナマヨや赤飯が高カロリーだ。
パンの利点は軽く、すぐエネルギーになること、とあった。海外登山で日本人が朝米を炊いている間にドイツ人グループはさっとパンを食べ、すぐ出発したという記述をみて、なるほどな、と思った。

パンの中では、シナモンロール、チョコレートパンなどが高エネルギーだ。

糖質を含むもののなかで米系は発芽玄米、雑穀米、餅、ビーフンやフォーがあり、それぞれの特徴が書かれている。
また、小麦粉系はパスタ、そうめん、麩などが書かれていた。

脂質はまずは糖質がエネルギーになったあと、第2のエネルギーに使われる。脂質は肉、魚、油、ナッツ、大豆、バター、チーズに多く含まれる。

たんぱく質は筋活動に大事だ。肉、魚、大豆、牛乳、チーズ、卵に多く含まれる。

ビタミンはエネルギー産生を助ける
豚肉、うなぎ、卵、牛乳、バナナ、玄米に多く含まれる。

ミネラルは海藻類、水菜、レバー、カキに多く含まれる。

登山の行動食には、ゆでたまご、バナナ、りんご、みかん、ゼリー飲料、ナッツ入りチョコレート、チーズ、ドライフルーツ、ミニトマト、魚肉ソーセージ、ソフトビスケット、シリアル、ナッツ類、煎餅、ジャーキーやサラミ、あんぱんが適している。どんな風に適しているのかの記述もある。

調味料も高エネルギー化を目指すものとして、バター、マヨネーズ、練乳やスキムミルク、砂糖、みそ、トマトケチャップ、はちみつ、ピーナツバター、ラード、油、ドレッシングの記述がそれぞれあり、こちらも一つ一つの調味料についてアドバイスが書かれていた。

バテない食べ方で驚いたのが登山前に糖質をいつもより多目に録りましょう、とあったこと。確か数日前に読んだ食事術の本と真逆のことが書いてある。
登山の前は、太りそうなものをたっぷり取っておこう。

下山後の食アドバイスは、疲労回復のため、たんぱく質の多い食事を取りましょう、だった。

登山でのバテない飲み方なるものもあるのに驚いた。ハイポトニックという単語は初めて聞いた。スポーツドリンクを水で2倍に薄めて飲む方法らしい。そして喉の乾く仕組みも紹介してあった。
体内の水分が2パーセント失われると喉が乾いたな、と感じ、4パーセントで頭痛と疲労、10パーセントで命の危険だそう。
また経口補水液や、しそジュースの作り方も載っていた。

登山食あるある
・食糧がくさる
・食糧が重すぎる
・食事道具がかさばる
・夕食を作成中に日が暮れる
・日に日にゴミが巨大化

まず、食べ物の腐り方についての記述があり、微生物の水分の利用率や、酸化などの例があった。包装の工夫や漬けるという手、加熱、薫製、缶詰やレトルト、などを利用する。

登山食はフリーズドライが普及して飛躍的に変化した。軽量で美味しい。アルファ米の味も改善されてきている。乾物の利用も登山に適す。干し野菜や干し柿の作り方も書いてあったが、一歩間違うと腐りそう。

登山食の定番は「ぺミカン」らしいが、この単語自体初めてきいた。ラードやバターによる野菜炒めのことで、野菜と一緒に丸めて持参するらしい。作り方が図入りで載っていた。

食事道具のコンパクト化のページに取っ手が便利に折り畳めるものがあり、なるほどな~と思いながらその鍋の絵をながめた。
また、時間や燃料の節約方法についても書いてある。燃料には、ガス、ガソリン、アルコールなどがあり、昔は大学の山岳部は石油コンロを使っていてすすでノズルがよくつまったとか、ガソリンはガソリンスタンドで少量をポリタンクで買えたとか、昔ならではの記載も面白かった。

また、もっと昔の先人達の登山家はどうしていたか?などの記述もあり、それによると米とみそ、干し鱈だけで何日も過ごしたとか。マタギは鰹節を持っていってたらしいし、昔のアルファ米、一回炊いた米を干して持っていく乾(ほ)し飯(めし)というものもあったらしい。このほしめしの作り方も載っていたが、いかんせん不味そうだ。

日本の伝統食にも言及していた。発酵食品や大豆食品、甘酒、甘納豆、干しいもかりんとう、ようかん、干し柿、つるし柿、かき餅などについての説明があった。

山菜やキノコを採る方法も説明されてあった。毒キノコ率が高いのは白っぽくて、ツバやツボがあるものだった。しいたけにそっくりな毒キノコ、ツヨキタケというのもあるがツバが真ん中から生えておらず、わずかに光り、黒光りし、割ると黒ずんだ部分があるそうだ。