仮面山荘殺人事件

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

主人公が、足首から先の片足がない朋美と結婚を控えた矢先、朋美は結婚式の打ち合わせのために一人で通いつめていた森の中の結婚式場の道中、運転していた車が崖から転落、死亡してしまう。
残された主人公は悲嘆にくれる。

そんな中、
主人公は、朋美の家族から山荘へ来ないかと誘われ行くことにした。朋美や朋美の父と繋がりのある人ばかりが泊まる山荘だ。毎年朋美も来ていたらしい。
今回来ていたのは、朋美の両親、朋美と仲の良かった年の近いいとこ・雪絵。雪絵は透き通るような肌を持つ男なら誰でも恋してしまいそうな可憐でおしとやかな美女だ。それから朋美の父の有能な女性秘書、雪絵の付き添いと言いはる病院勤務の雪絵の父と繋がりの深い木戸という男性、朋美の親友の阿川という女性だった。

山荘に着いてゆっくり過ごそうかと思っていたら、警官がやってきて、怪しい人物を見なかったか、と問われる。朋美の父たちは、いえ、見かけなかったと言ったものの、見回りの警官の言ったことが気になる。

警官が居なくなってから時間が経った頃に、この山荘に侵入した銀行強盗がいた。その銀行強盗たちがあっという間に山荘を占領し、主人公たちを人質にとってしまった。秘書などはSOSなどを警官に悟られないように出したが無駄だった。銀行強盗二人は主人公たちをこきつかって、食事を作らせた。もちろん、ずっと見張られっぱなしだった。

しかし、皆で強盗たちに悟られないよう密かに計画した時計を使っての停電計画がぶち壊されていたり、警官へ向けて出したSOSサインが消されていたり、どう考えても銀行強盗の仕業でないと分かることが相次ぐ。雪絵もベッドの上で殺されていたが、強盗の仕業ではない。となると味方の中に犯人がいる。
ということで皆疑心暗鬼になっていく、というようなお話。

この話も次はどうなるんだろう?と思いながら読んでいたが、結末が後味が悪かった。これまた全く主人公に共感出来なかった。一番可愛そうなのは、朋美だと思ったが、そもそも朋美も主人公と出会ったのは片足を無くす切っ掛けとなった猛スピードでの運転だった。朋美にもあまり共感できない。