魔球

魔球 (講談社文庫)

魔球 (講談社文庫)

東野圭吾さんの本。いくつか買った内の一つ。小説に浸るのも悪くない。しかしこの物語も好き、というところまではいかなかった。

野球部。須藤兄は超スーパーピッチャー。ある有名な大会であと一歩のところで勝利を逃すシーンから始まる。最後に投球したのが、まさに「魔球」だった。
高校内では勿論有名な3年生。しかし、その試合が終わって間もない頃に、殺人事件が起きる。殺されたのは須藤兄とバッテリーを組んでいた北岡キャッチャー。北岡キャッチャーと須藤兄ピッチャーのおかげで、試合に勝ち進んできた野球部は、北岡を失い、元の楽して野球をやろう、というチームに戻りかけていた。須藤兄は孤立していく。

須藤弟は二年生。野球部ではないが、野球部で全国的に有名な須藤兄の弟だ。須藤弟は、スポーツではなく、勉強の方で、上位を目指していた。勿論、兄のことはとても尊敬していた。

物語のもう一つの伏線、東西電機という会社。ここで時限爆弾がトイレに設置されていた。しかし挟まっていたのはボロ布で、氷ならば溶けて爆発となるが、ボロ布なので一向に爆発しない代物。
しかし不気味な事件として捜査に乗り出す。

ある日、須藤兄も右腕が切られ殺害されているのが神社で発見された。須藤兄はもがき苦しんだ跡があった。

北岡や須藤兄が殺害された事件と東西電機の爆発未遂事件が絡み合い、物語は進む。

読後感。うーん、男女の愛と世間体と地位は難しい問題、とりわけ心の問題を引き起こしてしまうな、と思った作品だった。一番可愛そうなのは須藤兄だがあまり共感出来なかった。