絶海の孤島

絶海の孤島 増補改訂版 (驚愕の日本が、そこにある)

絶海の孤島 増補改訂版 (驚愕の日本が、そこにある)

『深夜航路』と平行して読んでいた本。似たテーマで、違う切り口で複数の本を読んでいると対象がより具体的に見えてくるから面白い。

この『絶海の孤島』では
対馬青ヶ島、鵜来島、舳倉島、江島、硫黄島、悪石島、大東島(北大東島南大東島)、父島と母島
を巡った様子が書かれている。

対馬やフェリーとしまの飛び石航路の様子が正に『深夜航路』とかぶるところだが、この『絶海の孤島』の筆者はより「島の様子」や「人の暮らし」に焦点を当てて記載があるのが面白い。

まずは対馬
厳原に降り立った著者はハングルの多さに面食らうが、そこからバスで二時間先の比田勝では、更に韓国人旅行客やハングルの多さに辟易としてしまう。釜山から一時間で行けてしまう対馬は韓国人の格好の観光の場所だ。最初は面食らった筆者だが、対馬の居酒屋のマスターやたこ焼きのお姉さんといった人たちが実は韓国人で、マスターとは二人で飲みに行ったりもした。その様子が人間味あふれる感じだった。

青ヶ島
わたしも行ってみたい島だ。筆者は天候に左右され還住丸の欠航も相次ぎ、ヘリも予定通りには飛ばず、帰れなかった。初めて知ったことは青ヶ島には青酎というお酒があるが、ラベルも瓶も同じなのに住む人や作る人によりプライドがあり微妙に違うこと。筆者は同じだと思い売店で買ったものを宿へ持ち込むと宿の店主に怒鳴られて店主の機嫌を悪くしてしまった。この店主はあまりの怒りに宿泊費を三千円アップ。筆者はこの店主がいないと島の足が無くなるため渋々従う。

鵜来島
おばあちゃん、おじいちゃんが元気な島。島を降りると鋭い眼光のご婦人方が階段に座りこちらを穴が開くほど見つめてくる。その階段を通らないと島には入れないためビビりながらも島に入る筆者の様子がおかしかった。ただ区長さんの心配りがわかる島人へのメッセージや、島民大体の人が筆者のお昼ごはんを心配する様子が良かった。宿は2件あるが満室なので日帰り。

舳倉島
石川県輪島に行ったことがあるので少しだけ親近感。筆者も輪島から舳倉島へ。ここの島民は挨拶しても無視する人が多かったり猫可愛いですね、と言っただけなのに、怖いと叫ぶおばちゃんなど歓迎ムードと対極にあった。また船から来る島への訪問者はバードウォッチングを主とした人々か、釣りを楽しみに来た人々かのどちらかで、宿でも筆者はどちらにも入れず寂しい思いをした。島民は玄関に物干し竿をつっかえ棒にして「私有地 入るな!」と書きなぐっていた。島民は挨拶しても返ってはこない。きっと今まで来た訪問者のマナーが良くないときがあったのだろう。
しかし若い研修医と若い医者の二人に筆者は助けられた。会話ができた。この島特有のヌカカに刺され腕に痒みが走ったが、本州の医者では分からずこの二人に連絡しその知識のおかげで治ったそうだ。

硫黄島
写真がすごい。温泉の影響で本当に海が赤い。

江島
筆者が本当に何もなかったので書きようもないといって無理矢理旅行記を書いた島。わたしも読んだはずなのに殆ど覚えていない。

大東島
南大東島
住人も1000人以上は居て
ラテンのノリで楽しい島。メインストリートにはスナックや居酒屋が軒を連ね夜な夜な楽しく過ごしている。週末には島民同士の何らかのイベントがやっており筆者もゴルフ大会とビンゴ大会に参加した。これはこの島の吹奏楽部が強いのに那覇まで行ったり宿泊したりするのにお金がいるためで、参加費が遠征費になるそう。筆者たちは大いに盛り上がる。また大東名物かえるせんべいにも遭遇。これは大東には蛇がいないのでヒキガエルやかえるが繁殖しそれが車にひかれ放題で干からびてそのままのもの。

北大東島
商店もポツンポツンとあるのみ。凄く静かな島。というのもリン鉱石で栄えて一島丸ごと同僚が住む町みたいなものだからだ。上司や先輩がすぐ身近となれば下手なことは言えず無口になったのでは、というのが筆者の見解。とはいえ、リンは戦前頃には衰退し代わりに製糖工場ができた。この島の一人あたりの所得は沖縄でトップだが島の人は言う。もし子どもが出来たら高校から那覇だと。那覇まで行き来するための費用、那覇で暮らすための費用、とバカにはならず、そのため島民は2つも3つも仕事を掛け持ちし、なんとか支えているということだ。

悪石島
フェリーとしまの飛び石航路の様子が面白かった。
飛び石航路で著者が乗った船は特別だった。臥蛇島へ再接近する船で昔臥蛇島に住んでいた臥蛇会の方々と乗り合わせ。その様子が良かったのと、飛び石航路のうちの平島で大歓迎の太鼓の演奏が見られたのと温泉が良かったのと。面白かった。
おじさんたちが悪に丸がついたマークのヘルメットを株って作業していたのも、面白い。

父島と母島
行くのに、東京から1000キロは離れており、船で25時間かかる。初めて知ったが日本人だが金髪で目の青い欧米系の人々も昔交わり、その子孫もいるので人種豊かだそう。小笠原諸島に属するが沖ノ鳥島へも1000キロ近くかかる。父島では美味しい新鮮なお寿司を食べることができ、母島ではひたすらのんびりできた、とこの本にはあった。