世界情勢を読み解く10の視点

グローバル化の時代の国家の役割について。
2016年6月、イギリスはEU離脱を求める票が上回った。与党も野党も「残留」の方針だったため大混乱になった。イギリスの国民投票の結果は世界中にショックを与えたのに、当のイギリスの首相がジョークを飛ばし大笑い。議員は大喜びしている。
これはイギリスのエリートたちならではの振る舞いなのだ・・・

インプットしたこ
グローバル化とは
ヒト・モノ・カネ、情報の動きが盛んになる
この動きが国境を越える
グローバル化というときは、ヒト・モノ・カネ、情報のどれに力点が置かれているか注意する
そして、カネの流れはヒト、モノよりはるかに速い

ネーションステートを理解する
民族とは何か、国民とは何か

例えばモンテネグロの人間は特に小さくて人口も少ないながら歴史的に大国にひるまなかったというプライドを持つ。


ベルリンの壁が出来た経緯とその内容について。
・筆者は記者としてベルリンの壁が壊れるとき、取材していたがルールをまともに受けとめ出遅れて行ってしまった。

・もともと西側への人口の流出が止まらなかった。
・ドイツはなぜ統一したか?もともと東の国民も西の国民も統一することが自然と考えていたから。


アングロサクソンとはアメリカとイギリスをまとめた言い方
アメリカとイギリスは色々似ている。
また東京電力福島第一原発から放射性物質が流出する事故が起きたとき、ドイツなどのいくつかの国は東京の大使館を一時的に閉鎖したが、アメリカやイギリスは閉鎖せず大使館を増強した。
また、両国とも海洋国家である。また、英語の国でもある。

・アメリカとメキシコの国境の拡大イラストが分かりやすい。どこに歩行者侵入防止柵があるのか、車両防止柵があるのかが分かりやすい。

・ヨーロッパで高まる反EU感情について

・ドイツのメルケル首相について。個人的に面白かった部分はここである。「ベルリンの壁」が崩壊した東ドイツでデメジエール政権が誕生し、35歳だったメルケルが副報道官に起用される。筆者は、記者としてメルケル副報道官と一度だけ電話したことがある。
副報道官としての仕事ぶりは、とにかく周到な準備をするのが特徴だったとのこと。出席すると予想される記者がどんな記事を書いてきたか読み、どんな質問をするか予測し、それに要人が答えられるように準備をする。若き日のメルケルは有能な実務家立った。
次にコール首相の目にとまり、婦人青少年相に起用される。この本に若きメルケルの写真が載っていて興味深い。
またメルケルはロシア語がとても上手だ。ロシアのウラジミル・プーチンはドイツ語が得意だ。
もともと秘密警察職員で「ベルリンの壁」が崩壊した当時彼は東ドイツドレスデン駐在だった。
メルケルプーチンが会談するときはまず、ドイツ語で始めて、話が込み入ってくるとプーチンがロシア語に切り替えるそうだ。
メルケルはロシア語が得意なのは、勉強の賜物である。東ドイツだっだからロシア語が義務だったとはいっても、日本でいう英語教育みたいなものだからだ。

・韓国は法の支配が定着しない。序列の意識が強い。そして知識人が序列の上にくる。知識が豊富で正しくないといけない。朴槿恵が打倒された理由のひとつにこの朴槿恵の友人が大学を出たかどうかハッキリしない女、という認識がある人もいた。


・世界規模で見ると民主主義は後退している
フリーダムハウスがやっている
自由さをはかり国別にスコアを表示した記載がある。これによると

日本 96 自由 らしい。
他は
アメリカ 89 自由
中国 15 で自由ではない
ロシア 20 で自由ではない

北朝鮮 3 で自由ではない 


この本から2017年夏の国際情勢が、本の少し垣間見れる。
「現在」「今はどうか」
という視点で買った本だったが
やっぱりメルケル首相とプーチン大統領、そして筆者が記者として、ベルリンの壁崩壊当時現地にいた、というのが面白かった。
他にもこの本でトルコのことや北朝鮮のミサイルのこと、イスラム国のことやアラブのこと、トランプ大統領のことも知れた。