日本につけるクスリ
- 作者: 竹中平蔵,安部敏樹
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2016/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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対話形式なので、読んでいて分かりやすかった。
また日本の今の問題に、どう取り組むといいか、どう考えればいいか、ということに対して一側面の解答例を出してくれている本だとも思う。
インプットしたこと
・アルゼンチンはかつてフランスやドイツより裕福な国だったこと。
・イギリスは昔、経済は衰退し社会は荒れたイギリス病(福祉政策で国が全て面倒を見ていたため怠惰になった)と呼ばれる時期があったこと。
・日本はGDPが1996年は世界三位だったのに2014年は20位まで落ちていること。
・このように十数年前と現在では変わる。全ての国は今過渡期。
・現状維持をよしとしたままでは日本は必ず貧しくなる。
・竹中平蔵さんの、「川を上り、海を渡れ」の考え方・「何が問題なのか?」の考え方。
・税金には応能負担(所得税など)と応益負担(ゴミを多く出す人が多く負担)の二種類がある。
・なぜ日本にはスラムが存在しないのか。
→階層の固定化により発生していく可能性はある。
・アメリカ史を勉強する上でフロンティアの意義について必読書があるが、今世界中で「グローバリゼーションのマーケットのフロンティア」と「デジタル革命の技術のフロンティア」が等しく生まれている。
・新しい格差はフロンティアによって生じている。
・日本の大臣は国会が開かれている間、国際会議に行けない。
・地方のシャッター通りの商店街も全体をデザインしコンセプトを打ち出し魅力的になれば、買い物客も足を運ぶ。
・地方には「お殿様」が既得権益を牛耳っているため、若者など機会を与えてもらいにくい。
・メディアは「○○を苦しめていいのか!!」の論調。
・日本には無いが、アメリカや、イギリスなど、ジャーナリズムを育成する公的機関がある。
・記者クラブ制度、例えばBBCが日本の総理大臣にインタビューするにしても、この記者クラブがOKしないとだめ。「自分たちを通せ」とはおかしくないか?
・プライムタイム・アクセスルール(電波を独占せず、他の製作会社の番組をゴールデンタイムに流さなければ行けないというルール)によって、ハリウッドや韓国の映画産業が発展した。
・アメリカでは25歳以上の人でも働いて、大学行って、働いて、大学・・・を繰り返す。そうしてマクロの視点とミクロの視点をバランスよく持つ。
・日本がデジタルで勝てない理由について→工学部のハードウェアの教授の席が中々空かないから。
・日本のGDPが下がると何が問題か。想像する。例えばGDPが下がると日本市場の相対的位置の低下だよ、それはiPhoneとか映画とかが入ってこなくなるということだよ、というところまで説明する。
・戦略的に。政策は「世の中を五センチ前に進める」ためにある。どの戦略でいくか。ドミノ倒しのように最初の一手を見極めるのが大事。例えば、Uber(ウーバー)やAirbnb(エアービーアンドビー)。 シェアリングエコノミーは取引履歴がそのまま信用として貯まるが、このウーバー等は、タクシー業界はもちろん、クルマ業界、その先の駐車場の不動産、玉突きで色々変わる。
・ビットコインやフィンテック(金融技術)。ユーザーのやり取りで信用が貯まる仕組み。これはすごい。
・空き家は国がカウントしてるほど、多くはない。
外から見て「あれは空き家っぽいな」となれば空き家でなくても空き家としてカウントされる。
・先見の明がありすぎるのも、今現在では目に見えにくいため分かってもらいにくい。
・外国人研修制度の実態はひどい。ブラック企業みたいなところも。
・難民申請を待つ人々の入国管理センターの収容所は刑務所みたい。それにクルド人よりミャンマー人が比較的認定されやすい。偏りがあるのでは?
・日本では25歳以上の男女の夫婦でなければ特別養子縁組が認められないが、アメリカでは同性愛の夫婦や独身でも養子を迎え入れられる州がある。
・高齢化社会になると将来の割引率が高くなる。つまり生きている可能性の低い将来より、今が大事。そのため高齢者に優しいバラマキの政策がバンバン通る。高齢者に限らず人類は今の代で終わりとなれば皆心置きなく使いまくるだろう。
・早く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいなら皆で行け
アウトプットしようと思ったこと
・川を上り海を渡る、つまり歴史を遡り世界を広く見る目を持つ。(歴史と世界を参考に)
・法律チェック。
(安部さんは仕事柄旅館など泊まるところについてエアーアンドビーにも関係する旅館業法など法律チェックしている。今その法律の特別区として認定されているにも関わらず腰が引け参加しない自治体がいる。これを活用してるのは大田区と大阪府だけ、という情報を法律チェックによって知っていた)