ピーターラビットの絵本

ピーターラビットの絵本  第1集

ピーターラビットの絵本 第1集

わたしが小学生の頃。両親に買ってもらったのがこのピーターラビットの絵本だ。

ピーターラビットのおはなし
・ベンジャミンバニーのおはなし
・フロプシーのこどもたち

の三冊が収めれている。

ピーターラビットのおはなし
この本ではウサギのピーターが好奇心から人間のマグレガーさんの畑に入り、結局マグレガーさんに見つかり、マグレガーさんから逃げ回るお話。ピーターの父は人間であるマグレガーさんに肉のパイにされてしまっていた。当時から、逃げ回ったあげく家に何とか逃げ帰ったピーターにピーターの母が飲ませてるカミツレとは何だろうと思っていたが、カモミールのことだったとは。今初めて知った。ピーターのいたずらっ子ぶりやんちゃぶりが分かる本だ。

・ベンジャミンバニーのおはなし
ピーターのいとこのベンジャミンバニーのおはなし。ピーターより賢く、ゆうゆうとしている。ピーターとベンジャミンバニーはマグレガー夫妻が留守に、ピーターが第1話の中で取られてしまった服と靴を取り戻しにいこうということなり、畑に入って服と靴を取り返す話。猫のせいで五時間も滞在する羽目になったが、ベンジャミンバニーの父が探しにきて、助かる話だった。

・フロプシーのこどもたち
ベンジャミンバニーはいとこのフロプシーと結婚した。こどもが多くできて、食べ物が足りないときはフロプシーの兄妹であるピーターにキャベツを分けてもらうことがあった。しかしピーターにも分けてやれる分がないときは、マグレガーさんの畑のごみ捨て場に行っていた。
ここに捨てられていたレタスをたらふく食べたこどもたちはしょうたいもなく眠りこけてしまった。
マグレガーさんに見つかり袋に入れられてしまうこどもたち。しかしネズミのトマシナ・チュウチュウが袋をかじって穴を開け、うさぎたちを救った。そして袋に腐った野菜を入れて、マグレガーさんを一杯食わせる。


久しぶりに読むと面白い絵本だと思った。まず、絵がかわいい。そしてマグレガーさんとの攻防が命がけなのに、どこかほのぼのしている。
続きも出てるので他も今更ながら読んでみようか、と思ってしまった。
そして意外に知らない語句が出てきた。
下記がその語句だ。

カミツレカモミール
・とうのたつ→食べる時期を過ぎた花の咲いてしまった野菜
・ボンネット→婦人用帽子
モルタル→セメントと砂を水で練ったもの
・正体もなく→だらしがない

ある閉ざされた雪の山荘で

ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)

ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)

久我和幸の独白と山荘での様子が淡々と書いてある本。山荘のオーナーの小田さんと、若者たちが山荘へ着いた直後から物語は始まる。
山荘に集められたのは、劇団の演出家である東郷の手紙からだった。ここでは次から次に事件が起きる設定で舞台の演出をするとのこと。
若者たち7人は、ある劇団のオーディションで合格した7人だった。久我以外は全て劇団のメンバーだった。久我だけが別の劇団から参加していた。

合格した7人の若いメンバーは、久我和幸、雨宮、本多、田所の男四人と、温子、由梨江、中西という女性3人だった。由梨江の美貌が圧倒的で、久我は由梨江に魅せられてオーディションに参加、実力で合格をもぎ取った。全て由梨江を手に入れるために。由梨江は大して演技は上手くないが、その圧倒的な美貌で審査員を狂わせ合格したと思われる。
しかし由梨江を狙うのは久我だけではなかった。
田所も雨宮も由梨江を狙っていた。

そして演技なのか演出なのか分からない殺人事件が始まる。遺体は無し。温子が一番目に犠牲になるが、温子が最後に一人で居た部屋には紙が落ちており、「温子はヒモやコードで首を絞められた跡があった」と書かれていた。

一泊するごとに犠牲者が増えていく。しかし遺体は見つからない。紙が落ちているだけ。山荘に集められた若者たちは次第にこれが芝居場の演出なのか、本当の事件なのか分からなくなり、パニックになる。しかし外部に連絡すれば、あのオーディションの合格は取り消しとあるので迂闊に連絡もできない。どうしたらいいのだろうか。

読後感。久我も雨宮も田所も、由梨江の美貌に惑わされている。オーディションの審査員もだ。これが結局、悲劇に繋がっていってるんだと思う。犯人はもちろん、この7人の中にいるが、その7人の中だけではない。
久我は名探偵になり本物の劇さながらに事件の真相を暴いていく。

仮面山荘殺人事件

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

主人公が、足首から先の片足がない朋美と結婚を控えた矢先、朋美は結婚式の打ち合わせのために一人で通いつめていた森の中の結婚式場の道中、運転していた車が崖から転落、死亡してしまう。
残された主人公は悲嘆にくれる。

そんな中、
主人公は、朋美の家族から山荘へ来ないかと誘われ行くことにした。朋美や朋美の父と繋がりのある人ばかりが泊まる山荘だ。毎年朋美も来ていたらしい。
今回来ていたのは、朋美の両親、朋美と仲の良かった年の近いいとこ・雪絵。雪絵は透き通るような肌を持つ男なら誰でも恋してしまいそうな可憐でおしとやかな美女だ。それから朋美の父の有能な女性秘書、雪絵の付き添いと言いはる病院勤務の雪絵の父と繋がりの深い木戸という男性、朋美の親友の阿川という女性だった。

山荘に着いてゆっくり過ごそうかと思っていたら、警官がやってきて、怪しい人物を見なかったか、と問われる。朋美の父たちは、いえ、見かけなかったと言ったものの、見回りの警官の言ったことが気になる。

警官が居なくなってから時間が経った頃に、この山荘に侵入した銀行強盗がいた。その銀行強盗たちがあっという間に山荘を占領し、主人公たちを人質にとってしまった。秘書などはSOSなどを警官に悟られないように出したが無駄だった。銀行強盗二人は主人公たちをこきつかって、食事を作らせた。もちろん、ずっと見張られっぱなしだった。

しかし、皆で強盗たちに悟られないよう密かに計画した時計を使っての停電計画がぶち壊されていたり、警官へ向けて出したSOSサインが消されていたり、どう考えても銀行強盗の仕業でないと分かることが相次ぐ。雪絵もベッドの上で殺されていたが、強盗の仕業ではない。となると味方の中に犯人がいる。
ということで皆疑心暗鬼になっていく、というようなお話。

この話も次はどうなるんだろう?と思いながら読んでいたが、結末が後味が悪かった。これまた全く主人公に共感出来なかった。一番可愛そうなのは、朋美だと思ったが、そもそも朋美も主人公と出会ったのは片足を無くす切っ掛けとなった猛スピードでの運転だった。朋美にもあまり共感できない。

魔球

魔球 (講談社文庫)

魔球 (講談社文庫)

東野圭吾さんの本。いくつか買った内の一つ。小説に浸るのも悪くない。しかしこの物語も好き、というところまではいかなかった。

野球部。須藤兄は超スーパーピッチャー。ある有名な大会であと一歩のところで勝利を逃すシーンから始まる。最後に投球したのが、まさに「魔球」だった。
高校内では勿論有名な3年生。しかし、その試合が終わって間もない頃に、殺人事件が起きる。殺されたのは須藤兄とバッテリーを組んでいた北岡キャッチャー。北岡キャッチャーと須藤兄ピッチャーのおかげで、試合に勝ち進んできた野球部は、北岡を失い、元の楽して野球をやろう、というチームに戻りかけていた。須藤兄は孤立していく。

須藤弟は二年生。野球部ではないが、野球部で全国的に有名な須藤兄の弟だ。須藤弟は、スポーツではなく、勉強の方で、上位を目指していた。勿論、兄のことはとても尊敬していた。

物語のもう一つの伏線、東西電機という会社。ここで時限爆弾がトイレに設置されていた。しかし挟まっていたのはボロ布で、氷ならば溶けて爆発となるが、ボロ布なので一向に爆発しない代物。
しかし不気味な事件として捜査に乗り出す。

ある日、須藤兄も右腕が切られ殺害されているのが神社で発見された。須藤兄はもがき苦しんだ跡があった。

北岡や須藤兄が殺害された事件と東西電機の爆発未遂事件が絡み合い、物語は進む。

読後感。うーん、男女の愛と世間体と地位は難しい問題、とりわけ心の問題を引き起こしてしまうな、と思った作品だった。一番可愛そうなのは須藤兄だがあまり共感出来なかった。

パラレルワールド・ラブストーリー

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

東野圭吾さんの本をいくつか買ってみた。その内の一冊だ。パラドックス13がSFで面白かったので、パラレルワールドもSFで面白いに違いないと思っていたが、少し趣向が違うようだった。

大学院生の主人公は電車で、ある女性と幾度となく窓越しに見つめあう。JRと私鉄が交わりあい、その窓越しに必ず。いつしかその女性に思いを寄せる主人公。電車で通う最後の日、思いきって女性の乗る電車の車両に向かうが・・・。

ある日、長年の親友が恋人を紹介したいと言ってきた。親友は足が悪く、恋人が出来てもろくに付き合えたことがなかった。主人公は勿論喜んだ。
しかし、親友が自分の恋人として紹介した女性は、なんと、あの電車で何度も見つめあった女性だった。

主人公と親友は、TACという科学技術、脳科学などを研究するエリート新入社員になっていた。親友の恋人もなんと、その会社に入社することに。
そして、あろうことか親友と同じ研究室で働くことになった。
主人公はどんどん親友の恋人の女性に恋心を募らせ、行動に移していく。親友に悟られないように。

ある日、主人公が目覚めると、自分の彼女としてその女性が隣に寝ていた。主人公は何かがおかしいと思うが、それを打ち消す。
主人公の彼女として、その女性が存在している


あれ?親友の恋人だったのでは?と読者はモヤモヤしはじめるが、その真相が段々と解明されていく

というようなお話。

わたしは青春モノはあまり読まないので、物語として理解できても好きになれるキャラなどはいなかった。

スタンフォード式 疲れない体

スタンフォード式 疲れない体

疲れない体。アスリート達の健康管理をアメリカで担う著者。一口にアスリートとはいっても、アメフト選手とスイマーでは鍛える箇所も食事の取り方も異なる。睡眠から食生活から、すべて管理して本番で最大限にパフォーマンスを発揮してもらうため、研究に研究を重ね、それを書籍化した本。
やはり、睡眠も食事も大事だ。
問題は取り方だ。他の本で睡眠は七時間半が理想だと知識を得ていた。ここでは世界中で活躍するアスリートのため、時差や時差ぼけについても触れている。そして、寝る前にスマホやパソコンを見るのはもってのほかだと、この本にも書いてあった。

この本から新しく仕入れた知識としては、腹圧呼吸というものが良いということだ。内蔵がすべて正しい位置に戻りどっしり構えられる。肩で呼吸している人は体が落ち着いておらず、腹式呼吸も腹圧呼吸とは違う。左右の肋骨の一番下の骨の先と鳩尾の角度から、そもそも正しい場所に内蔵があるか測り、腹圧呼吸で整える。
もし正しい場所に内蔵が落ち着いていなくても、この呼吸方法を続けると次第に落ち着いていくらしい。コツは息を吸うときも吐くときもお腹は膨らませたままであること。
この呼吸方法を試してみると、確かに重心が真ん中にきて体が落ち着いた気がした。

パラドックス13

パラドックス13 (講談社文庫)

最近、お勧めされた本。小説はあまり読まないが、東野圭吾さんの本では『流星の絆』を10年前に新幹線の中で一気読みしたことを思いだし、お勧めされるままに読んでみることにした。

お勧めしてくれた人が読み終えたら貸してくれるとのことだったが、

JAXAアメリカ、総理たちが宇宙の不思議な現象を予知し右往左往する中、警官である主人公が、その現象の時間になり、突然誰もいない世界(東京)に放り込まれ、その世界でなんとか生き延びていく物語」
と聞いて気になり、書店で予習の立ち読みをしてみた。気がつくと閉店の音楽が流れ、二時間、200ページほど読んだところででなくなく帰途へ。
次の日も次の日も書店で立ち読み。
ついに、立ち読みで全て読んでしまったことに自分自身に驚いた。今までハウツー本ややりかた本、自己啓発本なら何冊か立ち読みして数冊買うやりかただったが、まさか小説を立ち読みで読んでしまうとは。
しかし速読で一気読みしたため、じっくり読みたくなり結局購入した。

この小説のありえない世界観での描写に驚き、主人公のお兄さん(警視)が頼もしいと思った。
世界に(東京だけだが)13人しかいない世界で、天変地異が次々に起こり、13人以外は一切いない世界。ただ、その現象が起きるまでの町並みは天変地異で徐々に壊されていくものの、最初のうちは食糧も泊まる場所も確保できていた。
一週間、二週間と経つにつれ、事態はどんどん深刻になっていく。天変地異の連続で足元もままならず、食糧や泊まる場所の確保でさえ危うい。
拠点を転々としながら、一番安全と思われた首相官邸へ。そこで、極秘だった宇宙の現象に関する書類を13人は目にすることになる。

13人も、主人公や主人公の兄、喋れない子ども、その母、看護士、技師、その上司(役員)、老人夫妻、食いしん坊の太った若者、赤ちゃん、ヤクザ、女子高生など様々だ。殆どが初対面で彼らの中でリーダーが誕生し、ルールが確立されていく。

結末は大まかには予想したのと同じだったが、最終の結末は思いもよらず、驚いた。
続編があれば読みたいと思った。